前の投稿からの続きです。
gentooに移行する前はFreeBSDを使用していました。
gentooの開発のスタートは「FreeBSDのportsのような環境で nvidiaのグラフィックスカードドライバを使用したい」 という欲求が発端だったと見聞きしたことがあります。 自分も、その情報を元にgentooに乗り換え、それ以来どっぷりなわけです。
ただ、インストールの難易度が高いと言われるように、つまづくポイントは多いのは確かです。
インストールディスクをいれるとコマンドラインからスタートですし、 真っ先にHDDのパーティション切り分け計画という超難問があります。
最近はパーティションを切り分けず、纏めてしまって気にしないのもよい選択です。
自分は、一度/homeに対してroot権限でrm -rf
を叩いたことがあり、 大量のデータを吹っ飛ばしかけました。
HDDのファイルシステムがReiserFSだったので、 即座にアンマウントしてジャーナルからサルベージすることで最小限の被害で済みました。
それ以来、rmをtrash-putのaliasにすることと、/homeを別パーティションにすることにしています。
RAIDを利用したり、外付けHDDへの手動バックアップなんかも併用する手もありますし、 根本的に「rmを打つようなうっかり属性をなんとかしろ」というのが正論ではありますが──。
下記は、しばらく使用していたパーティション分割の比率です。 全体の容量が大きいなら、/usrを減らして/homeや/varに分けてもよいと思います。
最近はメモリが十分に大きいのでswap自体をとらなくてもよいとも言われます。
- 20% : /(root)
- 30% : /home
- 20% : /usr
- 10% : /opt
- 10% : /var
- 10% : /tmp
- xx% : swap メモリ容量の2倍
- xx%: /boot 32MB〜256MB程度
また、EFIの有無でHDDの先頭に空きのディスクスペースが必要になったり、 WindowsとデュアルブートするにはWindowsを先にインストールして置かなければならなかったりと、常に新しい知識と情報が必要です。
この辺はgentooのドキュメントだけではなく、Arch Linuxの情報を当たると手がかりになります。
パーティション分割はやり直しが面倒なこともあり、カーネルコンパイルと並ぶ難関部分と思われます。
コンパイルを繰り返すOSへの対応はFreeBSDのportsで慣れていたとはいえ、 自分もインストールには大分手こずりました。
ドキュメントはかなり丁寧に整備されているのですが、 いかんせん膨大ですからじっくり取り組む必要があります。
これはもう、「頑張れ、諦めるな!」という世界です。
ところで……。 お気づきかとは思いますが、悲しいことに自分はMacintoshに対して知識がありません。 手持ちのWindows機をFreeBSDにしていたので、それを流用できる環境を探していたからです。
OS XからUnixベースになったと聞いて興味は抱いたのですが、 なんとかgentooに移行が成功し、そのままです。
現在のMacintoshの隆盛はインストールやメンテナンスの簡便性、 ハードウェア互換性の保証を高めたAppleの見事な戦略なんだなぁと感心することしきりです。
今やプログラミングやPCに興味があるならばMacintoshは外せないものになってるのでしょう。
さて。 取り残された自分のような者も、FreeなLinux環境は拾い上げて開発環境を与えてくれます。
gentoo Linuxのインストールについては、 前述のとおり公式のハンドブックを見ながら頑張ってもらうしかないというのが結論です。
その過程でいろいろなことが学べると思うので、 数日間の時間的余裕をもって取り組むとよいと思います。
このときに、公式のインストールディスクだけではなく、 ハードウェアの認識率の高い別のディストリのディスクを使うのは一つのコツです。
現在のおすすめはSavayon。 古いマシンに入れるなら日本語環境が整備されてるKNOOPIX Japanese editionがよいと思います。
インストールを進める前にも、一度これらで起動してみます。
そうして、『lsmod
, lspci
, lsusb
, dmesg
といったハードウェア情報を集めるコマンドを駆使し、構成を確認する』、 『/etc/conf.d/net
, /etc/resolve.conf
, Xorg.conf
といった設定ファイルを確認する』 といったことを行っておくと大分と楽になると思います。
これらの情報は、カーネルコンパイル、X11設定などに必要です。
また、最初の内はグラフィカルログインは諦めることをおすすめします。
OSが起動すると真っ黒なコンソールが現れ、 ログインした後 startx
でデスクトップを起動するという運用です。
KDEやGNOMEをいれるのは、それ自体がオオゴトになります。
自分はいろいろ試行錯誤した結果、 openbox + pypanel + conky だけのデスクトップで運用しています。
少なくとも安定動作するまでは最小限の構成を心がけたほうがうまくいきます。
日本語入力環境は、emacs上のSKKとIBus + Anthy を使用しています。
「面倒が起こりそうな構成は諦めてしまう」という 事なかれな態度がgentooには必要なのかもしれません。
──続きます。
2017-12-05
- 日本語入力環境: Kimera + Anthy -> Ibus + Anthyに変更
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